レンズ技術の革新とフレームの進化
眼鏡の設計において、レンズの直径が拡大する動きは、フレームデザインへの革新的な影響を及ぼしました。1950年代においては、フレームサイズが「44・46・48」という比較的小さめの範囲に限定されていたのに対し、1960年代に入ると「50・52・54」というより大きなサイズへとシフトしていったことが確認できます。この時代の変遷は、フレームの色彩や形状には変化が見られず、サイズの拡大に特化した現象でした。

クリスチャンディオールのフレームを例にとると、1970年代初頭と1980年代では、サイズが顕著に大きくなっていることがわかりますね。
この背景には、プラスチックレンズの誕生という技術革新がありました。1970年代当時は、プラスチックレンズが新しく登場したばかりで、まだ多くがガラス製レンズに依存していたと考えられます。レンズの直径が増すことは、直接的に「より大きなフレーム」の開発へとつながり、レンズメーカーが大きなサイズのレンズを開発することが、フレームデザインの進化に不可欠であることを示しています。
この事例から、レンズのサイズ拡大とフレームサイズの拡張との間には、深い相関関係が存在することが浮き彫りになります。1980年代には、大きなフレームの開発が積極的に行われ、「大きさ勝負」が眼鏡業界の新たなトレンドとして展開されました。

当時のアイセンターの店主は、この現象を「小ささからの解放」と表現しています。
さらに、1969年にアメリカでCR-39、1970年に国内でHOYA Hi-luxというプラスチック製レンズが開発されることで、カラーレンズのバリエーションは飛躍的に増加しました。これまでガラス製レンズでは選択肢が限られていた色味が、プラスチックレンズの登場により大幅に拡がり、色の濃淡やグラデーションカラーも自在に表現可能になりました。

従来の4色にとどまらず、オレンジや紫、ピンクなど、多彩な色選択が可能になったんですよ。
これらの技術進化は、眼鏡のデザインと機能性を大きく拡張させ、消費者に新たな選択肢を提供しました。レンズとフレームのサイズ変化を通じて、眼鏡のデザインにおける多様化と進化の歴史を見ることができます。
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